足の先から手先まで全身が連動する、それが連動性ストレッチの狙いです

上半身の動きで骨盤、肩を整えます

 白光霞は連動性ストレッチを次のように説明しています。

「連動性ストレッチとは、手首と足首を起点に動かすことで、

「手首→肘→肩関節→背中→胸→首→頭」

「足首→膝関節→股関節→骨盤→腰→腹部」

の流れで身体の力を伝達、分散させるためのストレッチです。

これら一連の協調した動作によって、背中と胸、腰とお腹の体幹の筋肉を動かし、血流をよくして、ほぐし、脊椎の並びを正しく整え、体幹を鍛える、セルフリハビリのためのストレッチです」

簡単に言えば力の伝達、分散ができる身体づくり、ここに連動性ストレッチの狙いがあります。力が上手に伝達、分散できれば外から大きな力が加わってもダメージを小さくできます。転んでも身体全体で負荷を受けて怪我をしにくい身体になります。


 白光霞

身体の不調を抱える人たちに共通する現象

連動性ストレッチは鍼灸のノウハウを生かして、足のかかと、手の指、腕などでツボを刺激する動作があります。

なぜ白光霞は連動性ストレッチを考えたのでしょうか。その経緯を少し説明します。

 経歴を読んでいただくとお分かりの通り、白光霞は中国では中医師、日本では鍼灸師として数多くの患者と接してきました。

 患者の年齢、性別、職業、生活環境は様々です。ところが身体の不調を抱える人には共通した2つの現象があることに気がついたのです。

1つ目は姿勢がよくない、身体が傾いていたり、曲がっていること。

2つ目は身体の中に動きにくい部分があること。

この2つです。

 身体の真ん中は、後ろか見ると分かりやすいです。後頭部の真ん中、背骨の真ん中、お尻の割れ目、膝の間、くるぶしの間を通る垂直線、これが身体の真ん中を通る線です。

 横から見た場合は、耳の穴、肩、股関節、膝関節の後方、脚関節の前方を垂直に通っています。これらが満たされていれば、良い姿勢となります。

白光霞の動作

 しかし身体は何かの原因で身体がまがったり、傾いたりすることがあります。元の姿勢に戻れるのなら問題ありません。ところが高齢者のように、腰が曲がったままで元に戻りにくくなると、さまざまな不具合が身体に起こってくるのです。

 例えば背骨には神経が通っています。背骨が曲がって神経が圧迫されると痛みとしびれの原因になります。自律神経が圧迫されれば内臓機能が低下します。

 もうひとつの身体の中に動きにくい部分があることも問題です。

 動きにくい部分の筋肉は血流が悪くなり、硬くなります。筋肉にとって必要な酸素や栄養は血液で運ばれます。血流が悪くなればますます筋肉は硬くなり、動きが悪くなります。

 筋肉につながっている骨、関節も動きが悪くなり、放っておくと連動性はさらに低下していきます。

姿勢を正しくすれば身体は動く、動けば姿勢も真っ直ぐに

 姿勢が悪いことと、身体の中に動きにくい部分があることは関係性があります。

 姿勢が悪くなれば筋肉の動きも悪くなり、動きの悪いところを他の部分でおぎなおうとします。

 そのため動きのよかった筋肉に大きな負荷がかかり、そこも痛めやすくなります。その結果、動きにくい部分が広がり、姿勢に影響を与えることになるのです。

 高齢者の歩く姿を見ると、片方の足だけが前にでて、もう一方の足はあまり動いていない、身体が傾いたまま歩くなど、身体に異変が起きている方が多くみられます。しかしお年寄りは腰が曲がっている、そういう思い込みがあります。そんなことはありません。どうすればこれらの現象を解消できるのか。

 全身を連動させれば負荷が分散され、動きにくい部分も動きやすくなります。動けるようになれば身体に連動性が戻り、元の正しい姿勢に戻る、そう考えて連動性ストレッチを考案しました。